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7月に、「仕事を楽しむ」をコンセプトにしたWEBマガジンのB-plusさんに、当塾の取材をしていただきました。
インタビュアは、元ボクシング世界チャンピオンの畑山隆則さんです。
畑山さんは、現役時代、数々のタイトルを獲得し、2階級制覇という偉業を成し遂げた偉大な元ボクサーだとお聞きしていたので、当日は化粧も忘れるほど緊張してしまいました。(ずっと残る写真がすっぴんだとは、失敗にも程があります。)
私がこの企画を受けた理由は、単にネームバリューがあり、強いカリスマ性もある畑山さんにお会いしたかったというだけではありません。大きな夢を成し遂げられたその人が、いったいどのような考えや意識を持って打ち込んでこられたのかを知りたかった。
そしてそれに感銘できた時、自分自身のやる気のきっかけとなる気がしたのです。
そしてそれを塾生に伝えることによって、彼ら自身が前に向いて歩きだすきっかけになればいいと、そういう思いがありました。
とにかく塾の宣伝はいらない!
中学生のやる気を引き出せるような内容に!!
というのがこちらの希望だったのですが、できあがってきたものは、うちの保護者ならだれでも知ってる内容のものでした。(一生懸命書いてくださった記者さんには感謝しています。)
当然です。インタビュアはあくまでインタビュア。いちいちインタビュアの思考や生き様が出てしまっては"経営者インタビュー"ではなくなってしまいますね。
それで、記事の掲載契約が一年ということもあり、記事には出なかった畑山さんその人がものすごく出るお話を、補足として永久保存的にホームページに残すことにいたしました。
インタビュー記事と合わせてご覧いただければ光栄です。
※写真は絶対拡大しないでください(笑)
「例えば、今までにものすごく出世したり、成績が伸びたりした生徒さんの中で一番印象に残っている人はどんな人ですか?」
という質問をいただきました。
小学2年の時、算数があまりにもできないという理由で学校の先生から塾へ通うように勧められて、うちに来てくれるようになった生徒がいたんです。
当初は、足す・引く・掛ける・割るの概念が全くなかったんです。
例えば、70円の鉛筆2本でいくら?
72円。
とするようなお子さんでした。
そんな人が少しずつ少しずつ頑張って中学を卒業する頃には、難しい入試問題の最後の問題が解けるようになっていました。
無事、第1志望の高校に合格でき、そこを首席で卒業したんです。
卒業式前夜に、
「明日は卒業式です。卒業生代表で答辞を読むことになりました。全部先生のおかげです。ありがとうございました。」
というLINEをもらい、トイレで泣きました。
「うわぁ、すごいですね」
(畑山さんは、目を輝かせて、話に聞き入ってくださいました。)
「70円の鉛筆2本で72円かぁ!?」
(え?そこ?)
「おもしろい!おもしろいなぁ、その発想!なかなかいませんよ。すごいなぁ、その子。」
(いやいや、結構そういうお子さんいるんですよ~。感動するところはそこですか?)
「楽しいじゃないですか!ねぇ?どういう発想でそうなってるのか。
そういう考えができるのって一つの才能ですよね。
そんな伸びしろのある子どもさんを教えるの楽しそうですね。」
この畑山さんの言葉にハッとしたのは、私は昔から大好きだった『教えることを楽しむ』ことをすっかり忘れていた。それに気がついたからなんです。
最近の私は、どうやって教えればわかってもらえるか、どうにかしてわからせてあげなければいけないということに必死で、その子の発想をおもしろがったり、考え方を探求したり、何より楽しむことができなくなっていました。
畑山さんは私に、
視点を変えれば行き詰まることはない。
ということを教えてくれたのです。
また、こういう話もしました。
人には、持って生まれた才能や容量(器の大きさ)が確かにある。
それを補うのは努力でしかない。
「努力ができるというのも才能の一つだと思うんです。
自分よりうまい、才能のあるボクサーはたくさんいる。
自分には努力ができるという才能があっただけです。」
この言葉には感動しました。
「お金持ちになりたかった。」
という思いでボクシングを始め、それを見出してくれた人がいて、血を吐くような努力を重ねて今の地位まで登りつめた。
そんな人が、
「人生のただ一瞬でいいのにね。努力すれば、将来が大きく変わるのに!」
と言っているんです。
『努力できる才能』とは、決して生まれながらに神様から与えられたものではないと思うのです。
人が生きていく環境の中で、人や書物などとの出会いを通して、
ヒントを得、学び取って身につけていくものではないでしょうか?
勉強もスポーツも同じです。
目標を持ち、ただそれに向かって進むだけでいい。
その日々の歩みが人を大きく成長させてくれます。
日常の指導の中で、自分自身の言葉の何かが、日本の未来を担っていく子どもたちが前進するきっかけになればいいと願ってやみません。