英単語力テスト ~冠詞の不思議~

 新学期が始まりました。英語コースの人に課せられた夏休みの宿題は、100問の英単語を夏休み中に覚えるというものでした。9月の第一週目にはその力をチェックする英単語テストを実施します。fried prawns(エビフライ)や a good luck charm(お守り)など結構マイナーな単語なんかも含まれています。単語だけでなく、brush my teeth や do the laundry  などの連語もあります。今年は半数の人が満点という驚くべき結果となりました。

 

 英語コースの人はこのようにしてボキャブラリーを増やしていっています。

 

 毎年この単語力テストで質問されることがあります。それは「aのつく単語とつかない単語の違いがわからない。」というもの。このような質問を小学生がしてくる場合は、まず物の名前を表すものを名詞といって、名詞の中には数えられるものと数えられないものがあるという説明から始めなければなりません。

 

 まず生徒に紙を配ります。「さあこの紙にペンと本と音楽と水の絵を描いてごらん。」さすがにペンと本は皆すらすらと描けますが、音楽と水の絵はなかなか描けません。

 

 「ペンと本は皆同じような絵を描いたね。これは皆の中で形がイメージできて、1つ2つと数えることができるからペンと本は数えられる名詞でaが付くの。でも、音楽や水は形がイメージできなかったり皆が全く違う絵を描いたでしょ。だから数えられない名詞でaが付かないんだよ。」と教えます。

 

 でも中には賢い子がいて、「先生、学校は数えられるのにどうして go to a school じゃないの?」と質問してきます。逆に「dream は数えられないのに I have a dream って言うじゃん」(TVコマーシャルを見て)「そこまでの疑問をよく持った。」と拍手を送りたくなります。

 

 中学生には、他に目的がある名詞はaが付かないものもあると教えます。勉強するのが目的だから go to school 、寝ることが目的だから go to bed (× go to a bed )

 

 また、I have a dream は数えられない名詞だけど、自分が具体的な夢がある場合には「一つの夢がある。」って強調して言う場合もあると教えます。

 

 しかし、小学生の場合、ここまでの細かいことは前でボードに書いてみんなに説明するわけではありません。あくまで質問してきた子に限って、頭の中の霧を晴らしてあげます。こういう子は、文法をうやむやにせず、きちんと説明してあげたほうが、きっと納得してすんなりと覚えられると確信するからです。

 

 時にはドキッとするような質問もあって、小学生とはいえ侮れません。